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6月4日から「歯と口の健康週間」

By 2020年6月4日 No Comments

64日からは、歯と口の健康週間(6月4~10日)です。令和2年度「咲かそうよ 笑顔の花を 歯みがきで」

私たちは、毎年、東海テレビで「歯とお口の健康」をテーマにした番組を制作しています。

日本歯科医師会のホームページを見ると、「目的」

この週間は、歯と口の健康に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防に関する適切な習慣の定着を図り、併せてその早期発見及び早期治療等を徹底することにより歯の寿命を延ばし、もって国民の健康の保持増進に寄与することを目的とする。

となっています。

これは、歯周病と全身の病気の関係ですね。

さて、私は、名古屋だけではなく、大阪、関西でも、医療や歯科について、取材しています。

こちらは、大阪大学歯学部附属病です。今から2年前にも取材、ロケをしました。当時の台本がありますので、抜粋して掲載しますね。

赤ちゃんから高齢者まで『歯と口の健康づくり』2018/3/24予定

赤ちゃんから高齢者まで、健康で生き生きと暮らすためには歯と口の健康がいかに大切かどれほどご存じでしょうか?

「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という8020運動。達成された方は長寿だけでなく健康な生活を過ごしていることが解っています。

今回のドクターは、大阪大学大学院歯学研究科長・歯学部長 天野 敦雄先生です。(※当時)

「健康長寿」のために、何が必要か。かかりつけ歯科医がいる人は、いない人たちと比べて、長生きで、ほとんど寝たきりになっていません。そのためにも若い頃からかかりつけ歯科医を持ち、一生涯を通じて、歯と口の健康づくりを目指して欲しいと思います

きょうのおはよう!ドクターは、「赤ちゃんから高齢者まで『歯と口の健康づくり』についてお送りします。

生まれてから高齢になるまで、一生を通して、健康で生き生きと暮らすために、歯と口の健康がいかに大切か、天野先生に教えてもらいます。

赤ちゃんがおなかにいるときから、子ども、成人から高齢者まですべてのライフステージで歯と口の健康を守るためには、しっかりと歯を磨き、定期的に歯医者に行くことが大事です。かつて歯医者は、虫歯など病気の治療に行くところでした。でも今は違います。病気を予防するために行くところになりました。

近年、歯と口の健康が寿命や健康に大きく関係していることがわかってきたのですね。

私たちの口の健康を脅かしているのが歯周病です。歯周病は、 歯垢に含まれる細菌によって歯茎に炎症が起きる病気です。歯を支える土台の「歯槽骨」が溶け、やがて歯が抜けます。

歯周病は、何歳くらいから気をつけたらいいのですか。

実は、歯周病菌がうつるのは18歳以降です。理由はわかりませんが、子供の口には歯周病菌はいません。ただ、何らかの理由で18歳以降に歯周病菌がうつっても、実際に歯周病になるのは大体、中年からです。感染してから歯周病が発症するまでの間は、未病の状態です。年齢を重ねて、歯磨きをすると歯茎から血が出ることがあります。そんな人は歯科に行ってクリーニングしてください。そうすると、出血が止まり、健康な口になります。

歯周病は全身の健康に影響を及ぼすことが最近、言われていますね。

歯周病菌は、アルツハイマー病や心臓病、糖尿病、がん、骨粗しょう症、関節リウマチなどの病気に関係することがわかってきました。

生涯を通じて、歯と口の健康づくり、どのようにすればいいのでしょうか。

お腹の中から人生を全うするまでの全てのライフステージで口のケアをしなければなりません。乳歯は妊娠2ヶ月ぐらいからお母さんのお腹の中で出来始めます。その後、出生し6歳ぐらいまで乳歯の時代があって、それから永久歯の時代に変わっていきます。15歳ぐらいまでで永久歯が生えそろいますが、寿命が伸びて、現在では80年近く使わなければならなくなりました。丈夫な歯を作るところから始めて、歯が長持ちする口の環境作りをしなければなりません。

高齢者で歯が丈夫な方はお元気ですよね。

「8020運動」というのがあります。80歳になっても自分の歯を20本以上保つこと。20本の歯があれば、ほとんどの食べ物を噛みくだくことができ、味を楽しみながら食べることができます。健康で長生きをするための大切な目標といえます。

高齢者の歯と口のケアについては、いかがですか。

高齢者では「歯のすり減り」や「歯周病によって歯茎が下がり食べ物の詰まりが発生すること」や「唾液が減少する事」など、特有な変化が出てきます。高齢者には高齢者にあった歯と口のケアが必要になります。

具体的には、どのようなケアですか。

筋肉の衰えや飲み込みのタイミングのずれで起こる肺や気管支への唾液や食べ物の流れ込みによって肺炎が起きることがあります。これを飲み込みが上手く出来なくて起きる肺炎、「誤嚥性肺炎」と言いますが、この割合が高いと言われています。口の中が不潔で細菌が多い状態になっていると発生しやすくなりますので、むし歯や歯周病の予防だけでなく、摂食嚥下の訓練、いわゆる飲み込むことの訓練をしっかりやって頂くことが大切になります。人生の質を高める、QOLを高めるために必要なことです。

先生、乳幼児から小さな子どもの歯と口のケアについて、いかがですか。

昔は乳歯が生え替わる歯だと言うことで放置されることもありましたが、今では乳幼児の歯と口のケアはむし歯にならないようにする事だけでなく、一生涯歯を大切にする習慣づけのための訓練の場になっています。最近は、保護者の方々の積極的な取り組みにより、虫歯の発生率は非常に少なくなってきました。しかし、一方で今、危惧しているのは、子どもたちの口の機能が低下しているということです。

どういうことですか。

お子さんの口の機能、いわゆる噛んだり飲んだり吸ったりという機能が非常に低下していることです。ビックリするのは、誕生日の時のケーキのろうそくがフーッと消せないお子さんというのが非常に増えているのですね。私どもも、勉強会を開催しながら、この問題に取り組み始めております。

高校生くらいまでは、学校で歯の健診などがありますが、大学生、社会人になると、歯が痛くないと歯科へは行かない方が多いと思います。どのようなケアをすればいいですか。

大人が虫歯になりやすい箇所は「歯と歯の間」、「歯の根元」、以前治療をした「詰め物と歯の隙間」の3箇所です。「歯と歯の間」と「歯の根元」は手入れが行き届きにくいため、プラークがつきやすいです。

プラークというのは?

歯のネバネバとした付着物を「プラーク」といいます。これは口の中にいる細菌と、その細菌が出した代謝物の塊です。プラークは、口のケアが十分でない場合や、糖分を摂取しすぎたときに増えていきます。プラークがたまって虫歯になったり、プラークの中にいる歯周病菌が悪さをして、歯ぐきに炎症を起こして歯周病になったりします。自宅でのケアにはデンタルフロスや歯間ブラシなども使って、歯を磨いてください。

歯磨きには、どのぐらい時間をかけたらいいのでしょうか。

一番大事なのが寝る前です。朝と昼は、食べかすを落とすぐらいでも結構です。寝る前にきれいなお口にして、お休みになっていただく。これが一番大事かと思います。また、手遅れになる前に、定期的に歯科健診を受けることが大切です。

先生、最後に、歯と口の健康づくりについて、メッセージお願いします。

※口から始まる健康づくり、メッセージよろしくお願いします。

いかがでしたか?2年前に、すでに「オーラルフレイル」に関するコメントが入っていましたね。このように、継続的に取材を続けることが、大切なんですね。今日、虫歯の日、改めて、この台本を読み直して、私も発見、気づきがありました。では、また明日。

(放送作家 健康医療ジャーナリスト早川真)

 

 

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