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桂三枝 ゴルフのルーツを訪ねて

By 2020年5月10日 No Comments

まだ20代のころ。ターニングポイントとなる仕事に出会った。

今から30年以上前、当時、テレビ番組の人気司会者として、活躍していた桂三枝師匠(現:桂文枝師匠)。たぶん、テレビ・ラジオのレギュラー番組だけで週に20本近くあったのではないかと思う。無謀にも、師匠の個人事務所に出向き、手書きで書いた台本を持って、出演依頼にひとりでいった。師匠は、黙って、読んだ。一言、「君、これは3時間を超える番組になるね」。要はまとまっておらず、調べたものを必死で書いただけのものであった。師匠は当時「ゴルフ夜明け前」という本を出版された後なので、内心、喜ぶのではと思ったが甘かった。幸い、この仕事、ダンロップ・住友ゴムが支援してくれていた。

ひとりで、また無謀にも、スコットランド、オランダに飛んだ。あのセントアンドリュースにも2回行った。最初は断られたが、2度目は、大使館を通じて事前に手紙を出していたので、なんとR&Aの建物内部にも入れてもらった。日本人で3人目だと言われた。ここは、世界のゴルフのルールを決める、いわば聖域。

スコットランド、オランダで調べ上げた成果を持って、再び師匠のもとへ。その台本を見て、顔が変わった。矢継ぎ早に、質問が飛んできた。一気に話が進んだ。1週間のレギュラーすべて、調整して、現地へロケに行ってもらえることになった。

国内では、初代女子ゴルファー、チャンピオン、西村まささんと師匠の対談が収録できた。

この番組が、人生のターニングポイントとなった。とことん調べ上げ、現地に出向き交渉する。その感動を伝える。この喜びが、私の制作の原点となった。

番組を通じて、ダンロップの方とも親しくなった。CM,新聞広告も任されるようになった。恵まれた時代だったと思う。20代の若造が、この仕事を通じて、自信を深めて、次のステップへと進むことができた。今は、すべての方に、感謝しかない。きょうは、このあたりで。また、明日。

(放送作家 早川真)

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