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7日間ブックカバーチャレンジ「沈まぬ太陽」

By 2020年5月9日 No Comments

先日から、7日間ブックカバーチャレンジ、というものをやっております。

いつもお世話になっている西良旺子さんからのバトンです。SNSセミナー、同友会、出版などで、いつもお世話になっている西さんは、最近2冊目の本「売上・集客が倍増するSNS活用術」を出版されたばかりです。

本棚にある本をいろいろ見直していると、これまでの取材のことなどが思い出されます。

「沈まぬ太陽」は、日航機墜落事故を描いた小説ですが、その取材力、構成力には圧倒されました。

この本を読んでいたのは、ちょうど、関西空港の2期工事を取材しているときでした。実は、この関西空港、まだ、埋め立てが始まる前から私は取材をしていました。足掛け10年は超えた計算です。天気の悪い日に、埋め立て予定地の海を下見に行った時の光景は、今も忘れることができません。荒れた海で、この先5キロに海上空港を作るなんて、無茶だと正直に思いました。

やがて、一期工事が始まりました。今では、考えられませんが、世界最大級のダンプカーなど大型重機を使い、山を切り崩して、埋め立て工事を進めました。連絡橋の建設を含めて、記録映像を制作、私は、台本を担当。後に、その映像は、土木学会賞を受賞しました。

そのころ、テレビ大阪の経済報道番組も4年間、担当。関空の取材は、随時行い、1994年9月4日の開港の日は、関空の旅客ターミナルから生放送をしました。

開港までは、滑走路、管制塔、旅客ターミナルなどの舞台裏を取材。管制塔に入らせてもらい、そこから夕陽が沈む明石海峡大橋の美しさにみとれ、ここにショットバーあれば最高やなあと呟き、失笑されました。滑走路は、私の自家用車で走らせてもらい、その長さを実感。誘導灯など細かいことも教えてもらいました。また、旅客ターミナルなど、沈下に備えて、ジャッキアップもこの目で見てきました。

実は、最近の台風で、海水が入り、関空が封鎖されたとき、やっぱりなと思いました。自然は甘くはありません。海上5キロに埋め立て地を作る。それは、人類の叡智を結集しても難しいのではないかと。思いのほか、沈下のスピードは速く、あのような被災にあったと。批判しているのではなく、やはり、これは検証していかないといけないと思い綴ります。

そして開港して、わずか4か月で、阪神・淡路大震災が発生。関空もそうですが、明石海峡大橋も、地盤改良と称して、海底の地盤を固くするため、数知れないほどの爆弾を用いて、改良を重ねていました。環境破壊がまだ叫ばれる前のことです。

震災発生からは、朝日放送で、「震災 あの場所はいま」という、平日の毎日お昼の1時間生放送を担当。神戸にいながら、あの場所の情報を流していきました。三宮、センター街、ニューミュンヘンが崩壊して、その前で茫然と佇む経営者にお話を伺いました。当時、トアロードにあったフロインドリーブは?あそこはどうなった?そして、一番取材したのは、鉄道。阪神、阪急、JR。後に「甦る 鉄路」というドキュメンタリーを朝日放送で流しました。そのとき、印象に残ったのが、神戸新聞の夕刊に「おかえり阪急」というタイトルを一面で載せた記事。後に担当デスクにもインタビューしました。

ブックカバーチャレンジ、という企画のおかげで、いろいろな取材の記憶が甦ります。今日は、このあたりで、また明日。

(放送作家 早川真)

 

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