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コロナで心筋梗塞?

By 2020年5月7日 No Comments

今朝の情報番組でも、流れていましたが、新型コロナウイルス感染症で入院している石田純一さんは、まだ退院できることができないそうで、血液をサラサラにする治療をしているそうですね。

ある医学雑誌に中国の武漢で、新型コロナウイルス入院患者の10%に心筋障害がみられたと発表されました。心筋障害は心筋梗塞で起きるのが有名です。心筋梗塞は心臓の冠動脈と呼ばれる血管が血栓で詰まり十分に血流が心臓に行き渡らないために起こる病気です。何故新型コロナウイルスで血栓が発生するのでしょうか。

実は、新型コロナウイルスが血管を攻撃し、小さな血栓を作ることが明らかになったようです。新型コロナウイルスが血管にあるACE2受容体を攻撃し、血管を傷付けるということが明らかになりました。血管が傷付けられるとそこを修復しようとして小さな血栓(血液の塊り)が生まれます。

だから、石田純一さんも、血液をサラサラにする治療をしているのでしょうね。

さて、心筋梗塞について、こちらは、2014年10月のものです。キャスターが植村なおみさんですね。ちょっと懐かしいかな。でも、読売テレビの医療番組を担当させていただいたときの、初代MCなので、仲良くさせていただきました。先生も、たぶん、肩書はかわっていると思いますが、国立循環器病センター、日本でも指折りの名病院の名医です。病院は、確か、駅の近くに新しく移転していますね。

 

いかがでしたか?いつものように当時の台本を抜粋して掲載します。2014年の台本ですので。

 

突然、あなたを襲う「急性心筋梗塞」。厚生労働省によると、1年間の死因別死亡総数のうち、心疾患は19万4,926人。死因別死亡数全体の15.6パーセントを占めており、がんに続く第2位となりました。このうち、急性心筋梗塞が4万3,265人で心疾患全体の22.2パーセントにもなっています。また、女性の方が男性より多い傾向がみられます。

では、いかに予防すればいいのでしょうか!?日本を代表する心臓病のエキスパート、国立循環器病研究センター 心臓血管内科 部門長の安田聡先生。

「先生、まずは、最新の検査法の前に、心筋梗塞から教えてください」

「心筋梗塞とは、心臓をとりまく「冠動脈」の一部の血液の流れが止まり、その部分の心筋と呼ばれる筋肉に栄養や酸素が不足し心筋細胞が死んでいく…つまり、壊死(えし)のことをいいます。心筋梗塞などの心臓病は、がんや脳卒中と並び、我が国の3大死因のひとつです」

「心筋梗塞の症状は、どのようなものですか」

胸の中央、または左胸部に鉛のかたまりをのせたような重苦しい強い痛みです。焼けつくような激しい痛みで、肩や背中、首などにも痛みが放散します。30分以上長く続くのが特徴です。冷や汗や吐き気、呼吸困難を伴うことがあります

「このような症状の場合は、すぐに救急車を呼ぶことでいいのですね」

「胸が痛いといった後、意識がない状態であれば、肩をたたきながら、大声で呼びかけてください。反応がなかったら、「誰か来て!」と大声で応援を求め、すぐに119番に連絡して救急車を呼びましょう。心筋梗塞では亡くなられる方の半数以上が、発症から1時間以内に集中しています。そのため病院に到着する前に亡くなる場合が多いのです」

「では、いかに予防すれば、いいのでしょうか」

急性心筋梗塞は、冠動脈の血管の壁にできたプラークとよばれる塊が突然破綻して血栓を形成し、血管が塞がれることで起こります。この突然破綻しやすい危険なプラークを「不安定プラーク」と呼びます」

「不安定プラークですか?」

「脂質の塊は不安定プラークと呼ばれ、主にコレステロールでできています。心臓の冠動脈にでき、破裂すると心筋梗塞の原因になるので、当然、生活習慣の改善も大切です。

「食事、運動、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣の改善ですね」

「その通りですね。たとえば、動物性脂肪の多い高カロリー食は、血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を増やし、過酸化脂質を増加させます。それらが血管壁に付着して血管を詰まらせたり、血管が破れたりする原因になります。また、危険因子である高血圧、高脂血症、糖尿病の有無などについて確認し、生活習慣を見直し、予防することが大切です」

「心筋梗塞の原因となるプラークは、事前に検査することはできるのですか」

「実は、患者さんに負担をかけずに検査ができる上、早期に異常を発見し、病気の発症予防も期待できる、新しい検査法が開発されたのです」

「先生、心筋梗塞の発症予防も期待できる新しい検査法とは、どのようなものですか?」

「心筋梗塞になりやすい血管近くの脂質の塊・不安定プラークですね、これを発見する磁気共鳴画像装置・いわゆるMRIを使う新たな方法を今年の春に開発しました。患者さんに負担をかけずに検査ができる上、早期に異常を発見し、病気の発症予防も期待できます」

「どのように検査するのですか」

「現在はCTを使って検査していますが、放射線で被曝(ひばく)したり、造影剤で吐き気やじんましんなどの副作用が出たりします。そのため、より体への負担が小さい検査方法が求められていたのです。研究チームは、呼吸で動く胸部の血管を詳細にMRIで測定する技術を2年がかりで開発。MRIを使用すると、白く輝いて見え、輝度が高いほど塊は大きく、破れやすいことが研究で分かったのです。つまり、プラークがはっきり見えるほど心筋梗塞などになる患者の割合が高くなるのですね」

「心筋梗塞になるかもしれないということが事前に分かるわけですね」

目立った病気がなくても、心筋梗塞になる可能性が高いかどうか、わかるので、病気の発症を予測して、発症を遅らせることができるようになります」

「最後に先生、心筋梗塞に対する治療について、教えてください」

「生活習慣の改善や薬物療法を適切に続けているのに、加齢や、糖尿病・高血圧などの持病によって冠動脈の狭さくが進んでしまった場合は、カテーテル治療や手術が行われます。選択のポイントやそれぞれのリスクなどを考慮し、医師とよく相談して、自分に最適な治療法を検討してください」

いかがでしたか?今回、お伝えしたかったのは、新型コロナウイルス感染症で、血栓ができるということです。脳卒中にもなるおそれがあります。後にまた整理されて発表されるでしょうが、世界で亡くなる方が多いのは、これが原因ではないでしょうか。いくつかの記事にそのような内容がすでに書かれています。では、また明日。

(健康医療ジャーナリスト早川真)

 

 

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