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がん予防と早期発見

By 2020年4月28日 No Comments

昨日は、がんの最新治療法を紹介しました。

今日は、「がんにならないためには?」がテーマです。がん予防と早期発見について。

私は、長年、健康医療をテーマに番組を制作してきました。きっかけは、阪神・淡路大震災です。

避難所にいた母親が、脳卒中で倒れ、救急車。震災後で、病院はどこも受け入れてくれない、もしくは、専門医がいないと断られ、いわゆる病院のたらい回しです。今の新型コロナウイルスと同じような状況です。結局、何度も手術を受けた上、母は、亡くなりました。それをきっかけに、健康医療の番組を積極手に制作するようになりました。

朝日放送「おはようコール」東海テレビ「スーパーニュース」読売テレビ「サンデー・ドクター」「おはよう!ドクター」BS日テレ「医の扉」東海テレビ「歯ッピーライフ」などなど。

今朝は、おはよう!ドクターが、YouTubeにありましたので、掲載させていただきます。

 

いかがでしたか?今回も当時の台本を抜粋して掲載します。

 

現在、日本人の2人に1人が「がん」になると言われ、3人に1人が「がん」でなくなっています。一般に、がんは「早期発見、早期治療が必要」といわれますが、みなさんは、がん検診を受けていますか?

今日のドクターは、大阪国際がんセンター副院長・臨床研究センター長の片山和宏先生

「がん予防と早期発見」についてお送りします。

先生、最近のがんの傾向を教えてください。

2017年にがんで亡くなった人はおよそ37万人で、1981年以降、36年間連続でがんが死因のトップになっています。

どのがんで亡くなる方が多いのですか?

死因のトップは男性が肺がん、続いて胃がん、大腸がん。女性は大腸がん、肺がん、膵臓がんになっています。

肺がん、大腸がんは男女ともに多いのですね。がんの中で治りやすいがん、なおりにくいがんはあるのですか?

治りやすいがんとしては、前立腺癌、乳癌、子宮癌、大腸癌、胃癌などがあります。これらは、医療機械や薬の進歩によって治療成績が向上していっています。

治りにくいがんは?

一番は、すい臓癌、あとは、胆のう、胆管癌が治りにくいがんとなっています。それらの臓器は場所的に早期のがんが見つけにくいというのがあり、今後の課題となっています。

先生、がんにならないために、まずは、がんの原因から教えて下さい。

がんは、さまざまな原因によって発症していると考えられていて、その中には予防できるものも多く含まれています。大きな原因は、喫煙と感染ですが、そのほかにも飲酒、肥満、生活習慣病、化学物質などが、科学的に明らかにされているがんの原因です。

がんの原因に肥満や生活習慣病などがあげられている。やはり、日ごろの食生活もがんにつながるのですね。ところで、たばこはよくないですよね。

喫煙は、肺がんだけでなく、咽頭、食道、胃などに対して発がん性があります。また本人だけでなく副流煙でも他人に害が及びますので注意しましょう。

先生、私もよく飲むお酒とがんの関係は?

飲酒によりがん全体のリスクが上がります。部位別には、肝臓、大腸、食道のがんにおいてその影響が”確実”とされています。

お酒を飲む場合は、どれくらいが適量ですか。

日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、ワインならボトル1/3程度です。週に1日は休肝日も必要です。たまに、1回でこれらを飲んでしまうこともあるんですが、気おつけた方が良いですね。

他に普段の食生活で注意した方が良いことはありますか?

これまでの研究から、「塩分の過剰摂取」は、胃がんの原因に「熱すぎる飲食物の過剰摂取」は食道がんの原因になるということが明らかになっていますので注意して下さい。

これらは、日頃の注意でリスクを回避できそうですね。そして先生「感染」もがんの原因なのですね。

日本人のがんの原因として、女性で一番、男性でも二番目に多いのが「感染」です。ピロリ菌と胃がん、肝炎ウイルスと肝臓がん、ヒトパピローマウイルスと子宮頸がんなど、関連がありますので、一度は検査を受けましょう。気づかないところで人にうつしてしまうこともあるので、検査は大事ですね。

先生、がんの検査について教えて下さい。

これまでの研究によって、胃がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん、大腸がんの5つのがんは、それぞれ特定の方法で行う検査を受けることで早期に発見でき、さらに治療を行うことで死亡率が低下することが科学的に証明されています。

やはり早期発見をすれば、大切な命が助かるということですよね。ところで、最新の検査方法については、いかがですか。

こちらの「カプセル内視鏡」は、小型カメラを搭載したカプセル型検査装置です。これを飲み込めば、小型カメラが腸の内部を撮影していき、大腸がんや小腸がんを調べます。

この中にカメラがあって、体内を撮影するとは驚きですね。これだと、身体の隅々まで撮影してくれそうですね。 

そうですね。このカプセルを飲み込むだけで、通常の日常生活もできますので比較的簡単に検査が行えます。

通常、大腸を調べたりするときはお尻から内視鏡をいれるので、恥ずかしいとか痛そうとかのイメージがありますが、これなら、簡単に検査が可能ですね。

次にこちらが、経鼻内視鏡です。これまで、内視鏡は口から挿入するものが一般的でしたが、最近では直径が約5mmの細い内視鏡が登場し、鼻から挿入する方法で検査が行われることも増えてきています。口から入れる内視鏡検査に比べ、検査時の吐き気・不快感が大幅に軽減できることが期待されます。

鼻から入れるということで、身体にも優しい検査になってきましたね。

さらに最近は、バーチャル内視鏡というものも出てきました。これは、CTを使っての検査で患者さんはただ寝転がっておくだけなんですが、この機械を使うとまるで内視鏡をのぞいているかのような立体の写真がみれるんです。

いままで2次元で見えていたものが、3次元の立体にみえるということは、分かり易く発見もしやすいということですね。

そうなんです。このような最新機材を使った体にも負担がかからないがん検査もあります。がんは早期発見・早期治療が非常に重要です。是非、がん検診を受けて下さい。

 

昨年、長年の仕事仲間が、早期にあるがんを検査して発見。カテーテル内視鏡治療でがんを除去することができました。がん検診をしていないと、自覚症状がまったくなかったので、どうなったのか、考えるだけでも恐ろしいです。みなさんも、がん検診は受けましょうね。コロナが落ち着いたらでしょうが。前段で、お話した母の脳卒中。後に、神戸の中央市民におられる、日本ではとても有名な脳卒中の名医、坂井先生に取材の合間に聞いたことがあります。今なら、早く来てもらえれば、かなりの確率で後遺症もなく助かったのに、と。医療、健康の知識はやはり大切だと心底思いました。これからも、あらゆるジャンルで取材、発信し続けていきたいと思います。

(健康医療ジャーナリスト早川)

 

 

 

 

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