『選ばれる組織、淘汰される企業』とは?
武庫川女子大学 山下紗矢佳 准教授が明かす【現役大学生と挑む、次世代パーパス経営へのガチンコ討論】

少し前のイベントですが、兵庫同友会産学公連携本部LINCに所属する経営者24名、武庫川女子大学の女子学生21名が参加。

経営におけるパーパス(存在意義)とは?「何のために存在するのか?」
「企業が人を選ぶ時代ではなく、人が企業を選ぶ時代」
数々のキーワードが飛び出した。商品や技術を伝えるだけでは、人の心は動かない。
なぜ、その仕事をしているのか?そのストーリーが、これからの時代に選ばれる理由になる。
私自身40年間、テレビ番組や映像制作に携わり、多くの企業を取材してきた。
改めて、企業の存在意義や物語を伝える広報が大切だと痛感した。
さて、皆さまの会社は『何のために存在する会社ですか?』
企業の魅力は、働く人の姿にあらわれる。中小企業の採用と「パーパス」
「自社の魅力を、学生にどう伝えればいいのか」
採用に取り組む中小企業にとって、これは大きな課題です。技術力もある。お客様との信頼関係もある。社員を大切にしてきた歴史もある。それでも、求人情報や会社説明だけでは、十分に伝わらないことがあります。
中小企業の経営者と大学生が一堂に会したオープンセミナーでは、「パーパス」と採用をめぐって、率直な意見が交わされました。
そこで浮かび上がったのは、会社が伝えたい魅力と、学生が実際に感じ取っている魅力との関係です。
**自社が大切にしていることは、日々の仕事や社員の姿に、どのように表れているでしょうか。**
この問いは、採用だけでなく、企業の広報を考えるうえでも大切だと感じます。
「何のために、この会社があるのか」
パーパスとは、企業の「存在意義」です。
少し身近な言葉にすると、「私たちの会社は、誰の、どんな役に立つためにあるのか」という問いになります。
製品やサービスの説明に、その仕事を続ける理由が加わると、会社の見え方は変わります。
例えば、部品を加工する会社であれば、加工精度や設備の紹介に加えて、その部品がどんな現場を支え、誰の安心につながっているのかを伝える。その先にいる人まで見えることで、学生も「自分がここで働く意味」を想像しやすくなります。
もちろん、給与や休日、労働時間などの条件は欠かせません。その情報をきちんと伝えたうえで、仕事の意味や会社の考え方も示すことが、互いの理解につながります。
学生が見ている、会社の「空気」
今回の討論では、学生が会社訪問の際に、社員の雰囲気や経営者の人柄を重視していることが語られました。
社員同士は、どのように話しているか。若手の意見に、先輩はどう応えているか。経営者と社員の間には、どんなやり取りがあるか。
学生は、説明される内容とともに、その場に流れる空気から、自分に合う職場かどうかを感じ取っています。
「社員を大切にしています」という言葉も、実際の接し方と重なったときに説得力を持ちます。経営者が語る理念と、働く人の姿がつながっていること。その一致が、会社への信頼を育てるのだと思います。
理念を伝えるのは、日々の具体的な行動
パーパスを採用や広報に生かすには、日常の出来事まで掘り下げることが大切です。
例えば、次のような問いから、自社を振り返ってみてはどうでしょうか。
– 品質と納期の両立が難しいとき、何を基準に判断しているか。
– 若手社員が失敗したとき、周囲はどう支えているか。
– お客様からの「ありがとう」は、どんな仕事から生まれているか。
– 社員の提案によって、会社が変わったことはあるか。
こうした具体的な出来事の中に、会社の考え方が表れます。
経営者にとっては当たり前の判断でも、外から見ると、その会社ならではの魅力であることがあります。広報の役割は、その価値を見つけ、相手に伝わる形にすることです。
社員が、自分の言葉で語れるか
経営者の想いに加えて、社員自身が仕事の意味を語る場も必要です。
「この仕事で、どんなときに役に立てたと感じますか」
「入社してから、会社の印象が変わったことはありますか」
「困ったときに、誰に助けてもらいましたか」
こうした問いへの答えには、会社案内の文章だけでは伝えきれない実感があります。
良い面に加えて、仕事の難しさや、それをどう乗り越えているかも伝える。学生が入社後の姿を具体的に考えられるようにすることが、採用時の相互理解につながります。
中小企業には、経営者と社員が近い距離で対話できる良さがあります。その近さが日々の仕事にどう生きているかを、社員の言葉から伝えていきたいものです。
映像と広報で、会社の日常を届ける
私は、テレビ番組や企業映像の制作を通じて、多くの現場や、そこで働く人を取材してきました。
映像には、言葉の内容に加えて、表情や声、仕事に向き合う姿勢、周囲との関係まで伝えられる良さがあります。
社員が自分の仕事について語る姿。先輩が後輩に声をかける場面。お客様の困りごとに、皆で向き合う様子。そうした日常の中に、企業の魅力を伝える手がかりがあります。
採用動画、ホームページ、SNS、会社訪問。それぞれの接点で、同じ会社の姿が伝わっているか。その視点で発信を見直すことも大切です。
パーパスは、日々の判断や行動を通して、会社の魅力になっていきます。
皆さんの会社では、社員の方々は、自社の魅力をどのような言葉で語るでしょうか。まずは、その声に耳を傾けることから始めてみませんか。
有限会社ハイブリッドでは、経営者や社員への取材を通じて企業の魅力を掘り起こし、映像制作や広報PRで伝えるお手伝いをしています。
「自社の良さを、どう言葉や映像にすればよいかわからない」。そんなところから、お気軽にご相談ください。
有限会社ハイブリッド
代表取締役 早川 真