先日、兵庫県中小企業家同友会の広報委員会が開催され、40名を超える経営者が参加しました。
その場で、これまで「プレスリリース勉強会」で学び、記者発表会に挑戦し、新聞記事やテレビニュースになった経営者の皆さんに、メディア掲載後、会社にどのような変化が起きたのかを報告していただきました。

語られたのは、採用や集客への効果だけではありませんでした。
社員やスタッフが喜び、自社への誇りを持つようになったこと。
親や兄弟など、家族から思いがけない反応があったこと。
取引先や金融機関から、これまで以上に好意的な評価を受けたこと。
そして何より、記者発表に向けて自社を見つめ直したことで、これまで見えていなかった自社の価値や進むべき方向が明確になり、自分たちの言葉で発信できるようになったという報告でした。

私はテレビ番組・映像制作に40年間携わるなかで、企業や人の中に埋もれている価値を見つけ、社会に伝わる形にする仕事を続けてきました。

その経験を中小企業の経営に役立てたいと考え、広報委員会の中に「報道チーム」を立ち上げたのが6年前です。
プレスリリースの書き方を学ぶだけの勉強会にはしたくありませんでした。
経営者自身が、自社の何をニュースとして伝えるのかを考える。
何度も内容を練り直し、プレ発表で厳しい修正を重ねる。
発表の仕方も一から学び、最後は実際の記者発表会に立つ。
記者の皆さんへの案内や当日の取材対応まで含め、実践の場をつくってきました。

すぐに結果が出ることばかりではありません。それでも、新聞やテレビに取り上げられる企業が少しずつ生まれ、その経験が社内や取引先、地域へと広がっていきました。
今回、経験者自身の言葉で、その後の変化を聞くことができました。
登壇しながら私は、
「6年間、まき続けてきた種が、ようやく花を咲かせ始めた」
と感じました。
そしてもう一つ、うれしい出来事がありました。
プレスリリース勉強会を経て、何度もの修正を乗り越え、実際に記者発表を経験した皆さんに、これからは報道チームの仲間として、次の経営者を支えてほしいとお願いしました。
広報の技術だけでなく、挑戦したときの不安、記事になったときの喜び、会社に起きた変化、そして自社の思いを言葉にする大切さを、次の世代へ伝えてほしい。
その呼びかけに、全員が「喜んでやります」と応えてくれました。
数人で始めた活動が、経験した人から次の人へ受け継がれていく。
「メディアに掲載されること」が目的ではありません。
自社の中にある価値を見つけ、社会に伝わる形に組み立て、必要な人へ届ける。その過程を通じて、経営者と会社が自分たちの進む方向を見つける。
それこそが、私が続けてきた広報支援の本当の価値なのだと、改めて教えてもらった夜でした。


これまで勉強会や記者発表会に協力してくださったマスメディアの皆さま、PR・広報の専門家の皆さま、広報委員会の仲間、そして挑戦してくださった経営者の皆さまに、心から感謝申し上げます。
花は咲き始めました。
これから、この経験と思いを次の世代へつなぎ、地域の中小企業が自らの価値を発見し、社会へ発信できる仕組みへ育てていきたいと思います。
広報PRコンサルタント
テレビ番組・映像制作プロデューサー
早川 真