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たばこを吸う友人・仲間たちへ

By 2020年6月6日 No Comments

先日、数か月ぶりに友人と、神戸の港がみえるオープンテラスで、ビールを飲んだ。やっぱり、外で飲むビールはうまい。で、友人は、ちょっとと。そうです。たばこを吸う場所を聞いて、新型たばこを吸ってきました。まだやめてないんや。まあな。コロナでも、たばこは重症すると言ってるで。そんな会話をしながら2時間ほど楽しく過ごした。

去年、大阪の国際がんセンターで、たばこ、新型タバコに関する公開セミナーが開催され、広報の方から誘われて、取材した。講演したおふたり、おひとりは、お国のアドバイザーもしていると。つまり、安倍政権の下、いろいろ法案作りのアドバイスもした方だ。そのプロセスも赤裸々に語っていた。手元に資料もある。そう、メディアが取り上げない資料だ。

そんな中、大阪国際がんセンターの田淵先生は、「新型タバコの本当のリスク」という本を出版した。この方が、その時、講演された、もうひとりの先生である。以下、先生の記事などを抜粋して紹介する。

【特別講演】メディアが伝えないがんのはなし がん対策センター疫学統計部 副部長 田淵貴大 現職:大阪国際がんセンターがん対策センター疫学統計部 副部長

医師・医学博士。専門は公衆衛生学・疫学。2011年4月から大阪国際がんセンターに勤務。大阪大学や大阪市立大学の招聘教員。著者としてタバコ問題に関する論文を多数出版。日本公衆衛生学会、日本癌学会など多くの学会で、タバコ対策専門委員会の委員長や委員を務める。タバコ対策および健康格差の研究に主に従事。近著に「新型タバコの本当のリスク」がある。

大阪国際がんセンターのホームページから田淵先生の解説を抜粋します。

タバコ対策は、日本において取り組むべきがん対策のなかでも、優先順位が第一位に位置づけられるものです。なぜなら、タバコは危険因子のなかで、もっとも死亡やがん罹患・がん死亡に関与している要因だから[1-3]です。図1に示すとおり、日本の非感染性疾患および外因による死亡において喫煙が最大の原因であり、12万8900人が喫煙が原因で死亡していました。

さて、田淵先生、新型タバコについては、ネットの記事からほんの一部抜粋します。取材した会場でお話していた内容とほぼ同じなので。

アイコス(IQOS)などの加熱式タバコについて、「害がない」「禁煙に役立つ」といった情報を耳にするようになってきた。従来の紙巻きタバコからこれらの「新型タバコ」へ切り替えたり、併用したりする喫煙者も多い。実際のところ、加熱式タバコの影響はどんなところにどんなふうに出てくるのだろうか。新型タバコに関する著作(『新型タバコの本当のリスク』)もある専門家に聞いてみた。

──加熱式タバコには受動喫煙の被害がないという誤った考え方が表れ始めているようですが、受動喫煙の害の危険性が極めて低ければ、受忍できるものでしょうか?

田淵「確かに、加熱式タバコからは副流煙(吸わない時もタバコの先端から出る煙)が出ませんから、受動喫煙の程度は低いかもしれません。ただし、これは紙巻タバコによる受動喫煙と比較した場合は、という“条件付き”です。加熱式タバコからも紙巻タバコと同様に多くの種類の有害物質が出ていますから、受動喫煙の害はあるかないかでいえば確実に“ある”です。今まで禁煙だったのに、加熱式タバコならOKとはできません。ただし、紙巻タバコの煙が充満していた環境が、いったん加熱式タバコに切り替わるのなら、経過措置としてはマシだと言えるかもしれません。いずれにせよ、ゆくゆくは加熱式タバコも屋内で使ってはダメですよとするべきですね。有害物質はソファーなどに付着して何年も蓄積するとわかっていますから」

それで、WHOは、どういっているのかというと…

2019年7月26日、WHO(世界保健機関)は世界のタバコ問題に関する最新レポートを公表し、「アイコス」や「グロー」、「プルーム・テック」などの加熱式タバコや電子タバコといった新型タバコに対して「間違いなく有害であり、規制すべきだ」と表明した。

タバコ会社は近年、新たな顧客を開拓するため、新型タバコ製品について「従来型タバコよりも有害成分が少ない」と主張し、積極的に売り込んできた。そのため、多くの人たちが新型タバコの“有害性”について誤解している。こういった状況のなかWHOは、タバコ産業が広める新型タバコは人類に対する脅威だと警告したのである。

たばこを吸っている友人、仲間たちへ。では、また明日。

(健康医療ジャーナリスト早川真)

 

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