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急性心不全とは?

By 2020年5月3日 No Comments

今朝、悲報が届きました。同級生が亡くなりました。急性心不全です。58歳です。昨夜まで、いつもと変わらぬ様子だったようです。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

実は、今日、掲載する読売テレビの医療番組。このチーフプロデューサーも、急性心不全で亡くなりました。年齢も50台後半でした。

動画のテーマは、慢性心不全ですが、心臓の病気のこと、少しでも知っていただきたいので、取り上げます。2014年11月放送分です。YouTubeにありましたので、掲載させていただきます。

キャスターは、当時、読売テレビのアナウンサーの脇浜紀子さんです。現在は、京都産業大学の教授として活躍されています。当時から、大阪大学で博士号をとるなど、とてもインテリジェンス溢れる方でしたが、昨日は、関西テレビの番組にご出演され、橋下徹さんと激論を交わしていましたね。橋下さんも今から20年近く前に、朝日放送、夕方の情報番組にご出演いただいた記憶があります。確か、ポルシェに乗られて、髪の毛も茶髪、独特な弁護士さんでした。

今日は、前段、長くなりましたが、コロナでも、心臓の病気や持病などを抱えていると心配だと思いますので、ご覧ください。

 

いかがでしたか?いつものように当時の台本を抜粋して掲載します。

 

あなたは、こんな症状はありませんか?

動いたときに息切れがする。疲れやすい。夜間頻尿。食欲不振。動悸。むくみ・・・

それは、心臓の病気「慢性心不全」かも知れませんよ。

兵庫医科大学病院 循環器内科 診療部長 増山 理先生

「初期の心不全は、症状も軽く診断が難しいことがあります。しかし、放置していると心不全による突然死もありえます」

そこで、先生直伝、心不全の見分け方とは?「心臓の病気「慢性心不全」の最新情報」です。

「先生、心不全の見分け方の前に、まず、心不全とは、何か、から教えてください」

「まず、こちらに、心臓の図がありますが、心臓は、栄養分や酸素を含んだ血液を全身に送り出すポンプのはたらきをしています。このポンプのはたらきが低下して、全身が必要とする血液を十分に送り出すことができなくなった状態を心不全といいます。簡単にいうと、心不全とは、心臓が弱った状態のことです。心不全は病名ではなく、このように心臓の機能が低下した状態をさす言葉なのです」

「心不全って病名と違うのですね。では「心不全」、急性とか慢性ということを聞くのですが、違いはどのようなものですか?」

「症状の程度を問わず、状態がほぼ一定している場合を「慢性心不全」といいます。もともと心臓病を持っている慢性心不全の患者さんが何かの原因で症状が急速に悪化した場合や、心臓病を持っていない人で急に心臓の働きが低下して心不全症状が出た場合を「急性心不全」といいます。今回は、慢性心不全について、解説していきます」

「慢性心不全では、どのような症状がおきますか?」

「慢性心不全は、高齢者の方が多いのですが、からせきをするとか、風邪のような症状など、多くの場合、心臓の異常を思わせる胸の痛みなどは起こらず、”年のせい”とされがちな症状が起こります」

「それが、年のせい、ではないのですね。具体的には、どのような症状がありますか」

「こちらにまとめています。例えば、血液を十分に送り出せないことで起こる症状には、「だるい・疲れやすい」「手足が冷える」などがあります。また、心臓へ血液が十分に戻らなくなると、体のさまざまな部位に血液が停滞します(うっ血)。うっ血により起こる症状には、「階段・坂道などで息が切れる」「脚がむくむ」「夜、トイレに起きる回数が増えた」「横になると苦しいが、体を起こすと楽になる」「おなかが張る」などがあります。特に多いのが体を動かしたときの息切れです。半年前に比べて息切れする、疲れやすいなどの変化があるときは、心不全の可能性も考え、医師に相談してみましょう」

「何が原因で起きるのですか?」

「あらゆる心臓の病気ですね。心筋梗塞、不整脈、心臓をつくる筋肉の病気である拡張型心筋症など、さまざまです。さらに、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、高齢、過労、ストレス、お酒、たばこなど、様々なことがからみあっています」

「慢性心不全が、悪化するのは、どのような時ですか」

「心不全には原因とは別に「誘因」があります。誘因とは、心臓のはたらきの低下はあっても安定していた患者さんの病状が急に悪化するきっかけのことです。もっとも多いのは、呼吸器感染症、すなわち「かぜをこじらせて、気管支炎・肺炎となり、心不全が悪化」というパターンです。

そのほか、塩分や水分のとりすぎ、服薬の中断、過度の労働や運動、狭心症、不整脈などが引き金となり、心不全が悪化することもあります」

「先生、先生、慢性心不全の診断ですが、どのようにするのですか?」

「診断の前に、簡単な見分け方、教えましょう。まず、手を下にぶらりと・・・すると、手の甲に血管が浮かびますよね。それを横にあげてください。いかがですか・・」

「※MC 血管は?」

「浮かび上がった血管が元のようになると、大丈夫です。戻らない場合、心不全を疑う・・・など、やりとり」

「では、具体的な診断、教えてください」

「慢性心不全の診断は、詳細に症状を聞き、診察をすることでできます。検査として必ず行われるのは、胸部X線、心電図、心エコー(超音波)です。また、血液検査でBNPというホルモンの濃度を調べると、息切れの原因が肺と心臓のどちらにあるのかまでわかります。さらに詳しい検査が必要な場合には、MRIなどで調べます」

「先生、慢性心不全 治療のポイント、アドバイス、お願いします」

「治療の基本は「生活習慣の見直し・改善」と「薬物療法」です。非薬物治療としては、運動やサウナなどもあります」

「運動やサウナもですか」

「詳しくは次回にお話しします。さらに、中等症以上の治療法には、胸にペースメーカーを植え込む「心臓再同期療法」などがあります。重症の場合には「補助人工心臓」や「心臓移植」などの治療法も検討されます」

 

突然死、急死、残されたご家族のことを思えば、胸がつまります。正しい医療の知識を身に着け、予防することを心掛けてください。同級生でも、いまだにタバコを吸っている友人がいます。糖尿病でも、きちんと治療をしていない方、すぐに治療を受けてください。亡くなった同級生は、小学校は違いましたが、ボーイスカウトで一緒でした。高校、大学も同じ。8年前、高校の同窓会を開催するとき、一緒に活動もしました。今年も4年に1度の高校同窓会が11月に開催される予定です。残念です。今日は、ここまでにしておきます。では、また明日。

(健康医療ジャーナリスト早川真)

 

 

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