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「がん・脳卒中・心臓病を防ぐには?~「糖質制限」の実践ポイント~」

By 2020年4月21日 No Comments

読売テレビの医療番組より台本抜粋(作家:早川真)

 

「糖質制限食」とは?

糖尿病、メタボリックシンドローム、高血圧、アトピー性皮膚炎、花粉症などの予防や改善だけでなく、がん、動脈硬化、脳卒中・心臓病などの予防に効果が期待できるといわれています。

では、具体的に「糖質制限食」をどう実践すればいいのでしょうか?

「糖質制限食」の体系を確立したパイオニア、京都の「高雄病院」理事長 江部 康二(えべ こうじ)先生。高雄病院などで3000人を超える症例を通じて、糖尿病や肥満、生活習慣病、アレルギーなどに対する「糖質制限」の治療効果を証明しています。

「がん・脳卒中・心臓病を防ぐには?~「糖質制限」の実践ポイント~」

――最近は、コンビニやスーパー、外食産業に至るまで、当たり前のように、「糖質オフ」とか「糖質制限」とかの言葉が溢れています。改めて、この「糖質制限」について、教えてください。

「糖質制限」とは、「米、麦、いもなどに多く含まれる糖質をなるべく摂らない食事療法」で、簡単にいえば、ごはんやパン、めん類などの主食を減らし、または全く食べない、その分たんぱく質や脂質を多く含むおかずをしっかりと食べることです。

――どんな効果があるのですか?

糖質制限食が有効な生活習慣病としては、糖尿病、メタボリックシンドローム、肥満、肥満に伴う高血圧、アトピー性皮膚炎、花粉症、片頭痛、歯周症、潰瘍性大腸炎などです。

――なぜ、効果があるのですか。

糖質制限食ですが、「血糖値を上昇させるのは糖質だけ」というシンプルな事実をもとに、食事で摂取する糖質をできるだけ減らして、血糖を良好にコントロールしようというものです。糖尿病の人が食事で糖質をとると、血糖値は上昇します。食後高血糖は糖尿病とその合併症はもちろん、動脈硬化やがん、認知症にも深く関与します。

――がんにも関与しているのですか?

糖質制限食では、食後の血糖値の上昇幅が小さく、がんの危険因子と指摘されている「高血糖」と「高インスリン血症」のリスクを小さくでき、ダイエット効果もあります。がんにはさまざまな危険因子がありますが、世界がん研究基金が、肥満によって確実にリスクが上がると指摘している「食道がん、大腸がん、乳がん、腎臓がん、膵臓(すいぞう)がん、子宮体がん」と、恐らく関連する可能性が高いと指摘している「胆のうがん」に関しては、予防効果があるのではと思っています。ただ、食事療法に過度の期待を抱くのは間違いで、あくまで治療の補助として考えたほうがよいでしょう。「この食事療法だけでがんが治った」という過大広告には注意が必要です。

――動脈硬化については、いかがですか?

糖質制限食で、高血糖や高血圧、肥満が改善されます。この結果、動脈硬化を予防する効果がもたらされ、ひいては心筋梗塞や脳血管疾患のリスクを抑えることができるというわけです。また、認知症、中でもアルツハイマー病のリスクとなる高血糖と高インスリン血症が糖質制限食で改善するので、予防効果も期待できます。

――アトピー性皮膚炎、花粉症などについては、いかがですか?

糖質制限食は、全身の血流が促され代謝がよくなります。その結果、自然治癒力が高まって免疫調整力も高まり、アレルギー疾患の改善などに効果があります。この高雄病院でも、アトピー性皮膚炎、花粉症が改善されたという例もあります。現代医学ではアレルギー疾患の原因はこうだといえないのですが、少なくともインスリンの過剰が悪影響を及ぼしていると言えるでしょう。

――では、糖質制限食の実践とは?糖質制限食には、どんな方法、種類がありますか?

糖質制限食には、3パターンがあります。

まずは、【スーパー糖質制限食】

1日3食すべての食事において糖質を摂らないようにします。1日を通して一度も食後高血糖を起こさないので、最も治療効果が高いです。まず、最初はこのスーパー糖質制限食からはいることをおすすめします。効果がはっきりでやすいため、やる気も維持しやすいからです。

次に【スタンダード糖質制限食】

1日3食のうち、1回だけは糖質を摂り、残り2回の食事では糖質を摂らないようにします。糖質を摂るのは朝食でも昼食でも構いませんが、夕食だけは避けるようにします。夕食後は就寝するので、ブドウ糖が消費されにくく、高血糖も解消しにくいからです。

そして【プチ糖質制限食】

1日3食の食事のうち、夕食のみ糖質の多い食品を避けます。3食のうち1回だけなので、実行は非常に楽ですが効果が出るのは遅いです。

――働いている人などは、外食が多いと思いますが、アドバイスありますか?

最近は、医学界より、企業のほうが糖質制限食をビジネスチャンスと捉えて行動が迅速なようです。回転寿司のチェーン店やファミレスや他の外食チェーン店なども糖質制限メニューが投入されています。コンビニやスーパーなどでも糖質を制限した食材がありますので上手に利用してくだい。ただし、糖質制限食は「おいしく楽しく」というのがモットーです。あまり厳密に考えすぎるのではなく、自分の生活にあわせて柔軟に行いましょう。

 

 

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