連日、本当に暑いですね。熱中症に気を付けてください。
昨日は、群馬県と埼玉県で、全国で2020年初めて、最高気温が40度を超えましたね。今日も、関東などを中心に、危険な暑さが予想されています。
そこで、以前に、こちらのブログにも掲載した「熱中症」について、正しい知識を覚えてくださいね。
読売テレビの医療番組で取材したときのロケ台本がありますので、まず、ご覧ください。
「熱中症を疑った時には、死に直面した緊急事態であることをまず認識しなければいけません。重症の場合は救急隊を呼ぶことはもとより、現場ですぐに体を冷やし始めることが必要です」
今回のテーマは、「熱中症 具体的な対策と治療 そして予防法」です。
「先生、まず、「熱中症」について、教えてください」
「大量の汗にかいて、体に水分や塩分が少なくなると、汗が出にくくなります。また、湿度が高いと、汗が蒸発しにくくなり、これも汗が出にくくなる原因になります。汗をかけなくなると、体温調節機能が働かなくなります。これが熱中症です」
「熱中症、具体的に、現場での応急措置を教えて下さい」
「第1に、涼しい環境への避難です。風通しのよい日陰や、できればクーラーが効いている室内などに避難させましょう」
「次にすることは?」
「第2に、脱衣と冷却です。衣服を脱がせて、体から熱の放散を助けます。露出させた皮膚に水をかけて、うちわや扇風機などで扇ぐことにより体を冷やします。氷嚢などがあれば、それを頚部、脇の下、大腿の付け根、股関節部に当てて皮膚の直下を流れている血液を冷やすことも有効です」
「体温の冷却はできるだけ早く行う必要があるのですね」
「重症者を救命できるかどうかは、いかに早く体温を下げることができるかにかかっています」
「熱中症になったときには、水分や塩分の補給も大切ですね」
「第3が水分・塩分の補給です。冷たい飲み物は胃の表面で熱を奪います。大量の発汗があった場合には汗で失われた塩分も適切に補える経口補水液やスポーツドリンクなどが最適です。食塩水も有効です」
「呼び掛けや反応がおかしい、応えない時はどうすればいいですか?」
「誤って水分が気道に流れ込む可能性があります。また「吐き気を訴える」ないし「吐く」という症状は、すでに胃腸の動きが鈍っている証拠です。これらの場合には、経口で水分を入れるのは禁物です。
「先生、熱中症、まずは、かかる方の多い高齢者の方が気をつけることはありますか?」
「高齢者では皮膚の温度感受性が鈍くなり、暑さを自覚しにくくなるので、体温調節が遅れがちになります。そのため、高齢者は、部屋に「温度計」を置き、部屋の温度をこまめにチェックし、部屋の暑熱環境を把握するように心がけましょう」
「小さい子どもなども、よく車の中で熱中症になったと聞きますよね」
「小児・幼児は汗腺をはじめとした体温調節機能がまだ十分に発達しておらず、高齢者と同様に熱中症のリスクは成人よりも高いので、十分な注意が必要です。急激に温度が上昇する炎天下の車内には、わずかな時間でも子どもだけを車内にとり残さないようにしましょう。また、バギーなどに赤ちゃんを乗せているときも、地面に近いと高温の場合が多いので気をつけましょう」
「働いている時に倒れる方も多いですよね」
「近年、職場には空調が普及したにもかかわらず、熱中症による死亡災害の発生数は、高止まりの状態です。例年、6月から9月に集中しております。これらの災害の中には、気温が30℃未満でも、湿度が高いときに発生した例があります。死亡災害の発生時刻は、午後2時から午後4時までが2 /3を占めています」
「先生、熱中症を防ぐためには、どうすればいいのですか?」
「日常生活での注意事項です
(1)暑さを避けましょう。
(2)服装を工夫しましょう。
(3)こまめに水分を補給しましょう。
(4)急に暑くなる日に注意しましょう。
(5)暑さに備えた体作りをしましょう。
(6)個人の条件を考慮しましょう。
(7)集団活動の場ではお互いに配慮しましょう」
いかがでしたか?今日も、熱中症対策、参考にしましょうね。
(放送作家 健康医療ジャーナリスト早川真)