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腸から始まる健康! ~「腸内フローラ」活性術~

By 2020年5月22日 No Comments

今から2年前、読売テレビの医療番組で取材した時に、初めて内藤先生とお会いしました。お話がとても上手で、男前。これは、テレビ向き間違いなし。ということで、取材内容です。

我々の腸内で生きる、100兆個もの細菌叢「腸内フローラ」が注目を浴びています。しかし、私たちにはわからないことがたくさん。そこで、腸内フローラにまつわる素朴なギモンについて、京都府立医科大学大学院消化器内科学准教授の内藤裕二先生に教えていただきます。

内藤裕二先生 京都府立医科大学付属病院 内視鏡・超音波診療部部長
京都府出身。京都府立医科大学卒業。医学博士。専門は、消化器病学、消化器内視鏡学、消化管学、酸化ストレスと消化管炎症、生活習慣病。著書に、『プロテオミクスでみえてくる消化器疾患の新展開』(診断と治療社、2009年)『人生を変える賢い腸の作り方』の著者でも有名。

では、内藤先生、取材した時の台本がありますので、抜粋して掲載します。

健康のカギを握る「腸」とは?腸内の環境を整えるだけで、ダイエットができて病気が治り、若返りまでできるとしたら・・・。人生を変える賢い腸のつくり方とは?話題の「腸内フローラ」とは?

京都府立医科大学付属病院 内視鏡・超音波診療部部長 内藤裕二先生。30年間、累計およそ5万人のお腹を診察してきた現役の医師であり研究者。本当に役に立つ腸内フローラの活性化方法を伝える第一人者です。

「腸から始まる健康~「腸内フローラ」活性術~」

先生は、現代病のほとんどは「腸」と関係していると、著書に書かれているそうですね。

心と体を好調、不調にするカギが腸にあります。〝好腸〞、〝不腸〞と言っても過言はないくらい、腸は心と体の健康に影響を与えています。私は、おなかの不調を抱えるたくさんの患者さんの胃や腸の様子を検査し、問診で食事や生活習慣について聞くうちに、「おなかが全身の司令塔」であることに気づき、現代人のおなかがさまざまな理由から悲鳴を上げていると警鐘を鳴らしています。

「おなかが全身の司令塔」なのですか?

食べ物は口、食道、胃、小腸、大腸、肛門というおなか(消化管)の中を通りながら消化・吸収され、残ったものは便として排出されます。私たちの体にとって食べ物は異物。消化管は異物の侵入というストレスにさらされながら、体を守るバリアとして一生懸命に文句も言わずに働き、さらに私たちが生きるためのエネルギーを生み出してくれているのです。しかし消化管にも限界があります。私たちの悪い食べ方、間違った暮らし方によって、徐々に消化管は不健康な状態になり、気がつかないうちに、血管が汚れ、肝臓や内臓に脂肪がたまり、心臓の働きが悪くなり、血圧や血糖値が上がり、糖尿病、高血圧、動脈硬化、心臓病、肝臓病などのリスクを高めてしまうのです。それだけではなく、最近では、うつや認知症などにも『腸の働き』が関係していることが指摘されています。

腸が全身や病気と深く関わっているのですね。

お肌の調子が良くない、ダイエットの成果がなかなかでない・・・そんな時、あなたのお腹にいる“腸内フローラ”が影響しているかもしれません。

腸内フローラ、最近よく聞く言葉ですね。

腸内フローラとは、腸内に生息している細菌の生態系のこと。フローラは「お花畑」を意味しますが、花畑にさまざまな花が咲いているように、腸内にさまざまな細菌が生息しているイメージです。

具体的に、腸内フローラはどのようなものなのですか。

腸内フローラは有用菌、有害菌、日和見菌の3つのグループで形成されています。これらの腸内細菌が多様性をもち、バランスのとれた状態であることが理想的な腸内フローラです。腸内フローラを良い状態に保ち、腸が本来もっている力を最大限発揮することで、便秘や下痢などの不調を防ぎ、消化管(おなか)の健康が実現することができます。

腸内フローラは、私たちの健康に深く関わっているのですね。

腸の中には実に100兆匹以上、数百種類もの細菌が住んでいて、その細菌の出す物質が、私達の美容や健康に様々な影響を及ぼしています。逆に言えば、腸内フローラのバランスを調整することで、あらゆる病気を予防したり治したりすることができるようになるというわけです。腸内フローラは、私たちの健康だけでなく、寿命さえも左右しているといっても過言ではないのです。

先生、腸内フローラを常に良い状態に保つためにはどうすればよいのでしょうか。

食生活の見直しが第一です。具体的には、食物繊維や発酵食品を積極的に普段の食事の中で取り入れることが大切です。食物繊維は有害菌の増殖を抑えてくれるだけでなく、有用菌のエサとしての機能ももっていますし、発酵食品には有用菌を増やし、腸内環境を変化させる効果が期待されています。これらを意識的に摂取することが、消化管(おなか)を良好な状態に保ち、ひいては全身の健康へと繋がっていきます。

では、内藤先生に「快腸」で過ごすポイントを教えていただきました。

すぐできる!7つの快腸習慣

1.食物繊維を豊富にとる

2.発酵食品を積極的に食べる

3.暴飲暴食を避け、腹八分目を心がける

4.化学物質を口に入れないよう注意する

5.運動習慣を身に付ける

6.快便&快眠

7.ストレスをためない

見直すべき7つの快腸習慣で、腸内フローラを元気な状態に維持していけば、心と体の健康を保つことができるのです。

先生、最後に「腸内フローラ活性術」、メッセージお願いします。

「幸せホルモン」と呼ばれ、幸福な気分や前向きな気持ちにするセロトニンという物質は、そのほとんどが消化管でつくられています。セロトニンが不足すると怒りが抑えられずキレやすくなり、欲求を抑えられずに食べ過ぎたり、うつなどを起こすといわれています。糖尿病やアレルギーなど、現在問題になっている病気の原因として、腸内フローラの乱れがあることも少なくありません。消化管(おなか)を健康にするための良い習慣を身につけ、全身の健康、健康長寿に繋げてほしいと思います。

いかがでしたか?まだ間に合う、あなたの腸内フローラはもっとがんばれます。今日からはじめましょう。腸内フローラ活用術。では、また明日。

(放送作家 健康医療ジャーナリスト早川真)

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