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「健康長寿を延ばす!~「ロコモ」対策とは?~」

By 2020年4月23日 No Comments

私が台本を担当していた、読売テレビ おはようドクター。(作家:早川真)

1年ほど前ですが、ロコモティブシンドロームの話題です。

YouTubeに残っていたので、掲載させていただきます。

健康で長生きするためにどうすればいいのでしょうか?!

超高齢化社会の日本。

要介護状態となった主な原因は、「関節疾患」や「骨折・転倒」、などの運動器障害。

これは介護が必要になる原因の中では、最も高い割合です。

つまり、運動器の機能を維持することが、“健康で長生き”することにつながるのです。

 

大阪病院 副院長で、ロコモ チャレンジ!推進協議会 副委員長も務める冨士 武史 先生。

 

「健康長寿を延ばす!~「ロコモ」対策とは?~」

 

要介護や寝たきりは、本人だけでなく家族など周囲の人にとっても問題になります。健康で長生きするためには、何が大切なのでしょうか?

健康寿命という言葉をご存知ですか?健康寿命とは、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のことです。平均寿命と健康寿命の間には、男性でおよそ9年、女性でおよそ13年の差があります。誰もが最後まで、健康でいきいきとした生活を送りたいと思っています。

寝たきり、要支援・要介護状態は健康寿命の最大の敵です。

要介護の原因はいくつかあると思いますが、いかがですか?

脳血管疾患や認知症などありますが、関節疾患、骨折・転倒という「運動器の障害」が25%で第一位となっています。

そこで、最近、よく耳にするのが「ロコモ」ということですね。

運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態を「ロコモ」つまり「ロコモティブシンドローム」といいます。進行すると介護が必要になるリスクが高くなります。

ロコモ、具体的にどのような状態なのでしょうか?

ロコモは筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれか、あるいは複数に障害が起こり、「立つ」「歩く」といった機能が低下している状態をいいます。進行すると日常生活にも支障が生じてきます。いつまでも自分の足で歩き続けていくために、運動器を長持ちさせ、ロコモを予防し、健康寿命を延ばしていくことが今、必要なのです。

先ほどから「運動器」という言葉がでていますが、具体的にどこを指すのですか?

人間の身体は機能ごとに分業をしています。“呼吸器”(気管や肺)、“循環器”(心臓や血管)、“消化器”(胃や腸)などは良くご存知でしょう。同じように人が自分の身体を自由に動かすことができるのは、骨、関節、筋肉や神経で構成される“運動器”の働きによるものです。骨、関節、筋肉はそれぞれが連携して働いており、どれかひとつが悪くても身体はうまく動きません。

では、どうなったら「ロコモ」なのですか?

誰でも簡単にロコモ診断ができるロコモかどうかのチェックポイント」を7点挙げています。

これらはバランスの能力や筋力、歩行能力や持久力をチェックするもので、

1つでも当てはまればロコモの心配があると考えられます。

みなさんもぜひ一度チェックしてみてください。

 

1 片足立ちで靴下が履けない

2 家の中でつまずいたりすべったりする

3 階段を上るのに手すりが必要である

4 家のやや重い仕事が困難である

5 2kg程度(1Lの牛乳パック2個程度)の買い物をして持ち帰るのが困難である

6 15分くらい続けて歩くことができない

7 横断歩道を青信号で渡り切れない

 

先生、ロコモになる前に気づくことができますか?

このために開発されたのが「ロコモ度テスト」です。

これは移動能力の評価を、

①立ち上がりテスト(下肢筋力を測る)、

②2ステップテスト(歩幅を測る)、

③ロコモ25(身体状態や生活状況を測る)の3つのテストを行い、

将来ロコモとなりうる可能性を判定するものです。この3つのテストそれぞれに基準の値が決められており、「ロコモ度1」、「ロコモ度2」を判定することができます。①と②のテストを行う時には、転倒しないようにするために必ず介助者がそばにいる状態で行う必要があります。

 

「立ち上がりテスト」

このテストでは下肢筋力を測ります。

台は40cm、30cm、20cm、10cmの4種類の高さがあり、両脚または片脚で行います。

測定結果:左右ともに片脚で立ち上がれた一番低い台の高さを測定結果とします。40cm台において、片脚40cmでの測定値でも立ち上がれなかった場合、両脚で立ち上がれた一番低い台の高さを測定結果とします。

では、ロコモを予防することはできるのでしょうか?

ロコモティブシンドロームの予防と改善を目的とした運動があります。具体的な運動方法としては、「片足立ち」と「スクワット」が基本となります。バランス能力と筋力を鍛えることが中心となりますが、筋肉だけでなく骨や関節など加齢によって衰えていく運動器を鍛えることも目的です。

※チャレンジ 「スクワット」

肩幅より少し広めに脚を広げて立ちます。つま先は30度くらいずつ開いた方が安定するでしょう。膝がつま先より前に出ないように、また、膝が脚の人差し指の方向に向くように注意して、お尻を後ろに引くように身体をしずめます。ゆっくりと深呼吸するペースで、5~6回繰り返します。動作中は息を止めないようにして、膝に負担がかかりすぎないように、膝を90度以上曲げないようにします。太ももの前や後ろの筋肉に、しっかりと力が入っているか、意識しながらゆっくりと行ってください。支えが必要な人は、十分注意して、机に手をついて行ってください。この運動も、1日3回行いましょう。

 

健康長寿のためのロコモ対策、最後にアドバイス、お願いします。

ロコモティブシンドロームという言葉は、社会がどんどん高齢化している日本で生まれました。メタボの健診を受けるように、ロコモの健診を受け、自分でロコチェックを行うことや、自治体や整形外科や診療所で行っているロコモ度テストを受けるなどで、自分のロコモ度を知る必要があります。ロコモ度に応じて自分で体操をする、医療機関を受診して診断を受け、①適切な体操を教えてもらう、②薬剤や物理的な療法で治療する、③手術を受ける、などいろいろな対処法があります。

いくつになっても自分の脚で歩く生活を、自分の手で掴みましょう。

 

 

 

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